「先生、そうお怒りになっちゃ、おからだにさわります。それよりシューマンのトロメライをひいてごらんなさい。きいてあげますから。」
「なぜやめたんですか。ぼくらならどんな意気地ないやつでも、のどから血が出るまでは叫ぶんですよ。」
「ゴーシュさんはこの二番目の糸をひくときは、きたいに遅れるね。なんだかぼくがつまずくようになるよ。」
「はい、ここらのものは病気になると、みんな先生のおうちの床下にはいって療すのでございます。」
「ああ、かっこう。あの時はすまなかったなあ。おれは怒ったんじゃなかったんだ。」
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